3月22日(土)に弊社運営のコワーキングスペース「One&Co」にて、日本酒をきっかけに新幹線を使った訪日観光に繋げることを目的としたイベント「Junmai Journeys」を、長野県上田市の岡崎酒造さまのご協力のもと開催しました。日本酒という特定のコンテンツと観光を交えてのプロモーションは今回が初めての取組みです。
なぜあえてターゲットを絞って観光情報PRを行ったのか。それはシンガポール人の訪日旅行目的が非常に多様化していることが背景です。リピート率が約8割、かつ個人旅行が9割以上のシンガポールの訪日旅客市場では、東京や大阪などの主要観光地の訪問から、地方のアニメ聖地や映画ロケ地の訪問など、訪日目的が趣味や興味関心に沿って細かくパーソナライズ化してきております。
その中でも日本酒に着目した理由は、弊社運営のインバウンド情報発信拠点「JAPAN RAIL CAFE」内に構える日本酒専門店「伊勢五本店シンガポール」(運営:JR東日本商事アジア)へ来店されるシンガポール人の多くが、希少な日本酒銘柄を求めて東北や中国四国などの比較的地方に積極的に向かっていることから、日本酒と併せて観光情報発信をすることで訪れていただける確率が高くなると感じたからでした。
今回お力添えをいただいた岡崎酒造さまは、桜や紅葉の名所として有名な上田城跡が望める北陸新幹線のJR上田駅から徒歩15分にある北国街道という観光名所の中に蔵を構える酒蔵で、酒造りに留まらず上田の活性化に向けて地元を巻き込み活動されております。醸す銘柄「信州亀齢」は日本国内では入手困難なほど人気であり、その名声はシンガポールの日本酒好き界隈では有名な話。新幹線を使って地方へのインバウンド誘客を目指すJR東日本グループとの親和性も高く、今回のコラボレーションイベントの実施に結びつけることができました。
イベントは一般募集のローカルのお客さま向けに、セミナーと試飲の二部構成で実施。セミナーでは日本酒の基礎情報や長野県の観光情報、JR東日本の観光列車やお得な鉄道パスの情報を発信したのち、岡崎酒造の岡崎健一代表とライブ中継を繋ぎ酒造りへの想いや地域の魅力について熱く語っていただきました。質疑応答のコーナーではシンガポールのお客さまから沢山の質問が岡崎さまへ寄せられ、日本酒自体だけではなく、日本酒と合わせた観光にも注目度がかなり高いことが伺えました。

その後の試飲セッションでは、このイベントのためにご用意いただきました特別な信州亀齢をはじめとした「長野」「東北」「関東」「新潟・北陸」各エリアの厳選された日本酒の試飲会を実施。お客さまには地域ごとの味を楽しんでいただくだけではなく、各地域の観光情報やアクセスについても同時に情報発信いたしました。

これまでにない新しい形での観光情報発信イベントでしたが、参加者の85%が「長野県への興味がとても高まった」という結果になり、シンガポールで急増する日本酒好き層へ日本酒と絡めて観光情報を発信することへ大きな手ごたえを感じました。

今後も弊社では興味が多様化するシンガポール人へ効果的に各地域の魅力を発信できるよう、観光情報発信だけに囚われない様々なアプローチにて観光誘客のサポートを力強く推進してまいります。